ところで、この40分間にわたる討議で韓国と日本の主張が平行線をたどり続けると、総会の進行役を務めるウィンフォード・ウィリアムズ議長が休憩
時間に韓国・日本・北朝鮮の代表を壇上に呼び集めた。そして、その場で韓日の間で論争になっている海域を削除した状態で「大洋と海の境界」第4版を公式発
行する案を提案した。
これは、IHOの立場としては、五十数年ぶりに進められている海図集第4版の発行が、東海(日本海)呼称問題のため「お蔵入り」が続く状況を放置
することはできないためだ。議長の提案に日本代表団は「日本海単独表記がわれわれの公式見解だ。これを変更する理由を見いだすことができない」と否定的な
態度を示した。
しかしこの提案は、韓国代表団としては非常に鼓舞されるものだ。なぜならば、日本の反対でIHO海図集が発行できなくなった場合、日本も相当な心理的負担を感じざるを得なくなるためだ。
なお、韓国政府の調査によれば、全世界で東海・日本海を併記または東海を単独表記した地図は23%程度に達するという。日本政府の調査でも、
2000年に全世界の地図で東海を表記していたのはわずか2.3%だったが、06年には18%に増えている。つまり、「東海」表記を支持する国際世論が次
第に広がっているのだ。
従って、韓日の論争により海図集から東海の海域の名称が削除されたということを全世界が知ることだけでも、東海は国際的認知度が高まる重要なきっかけをつかむことになる。
モナコ=姜京希(カン・ギョンヒ)特派員