対日請求権資金の国民総生産への寄与

「日本の賠償金は、韓国のために 全く役に立ちませんでした。賠償金で儲かったのは、日本です」などという韓国人の方に贈る。

日本からの請求権資金の韓国のGDPへの影響を試算した資料の紹介です。

対日請求権資金を使って導入された資本財によって生産された国民総生産の規模の推定は即 ち、導入された資本財の生産性を推定するということになるから各事業別に生産実績を算出しなければならない。ところが事業別生産実績に関する資料がいくつ かの主要事業以外にはほとんどないのが実情だ。したがって本分析では各産業別、年度別限界資本係数によって推定したが、その結果は表にみられるとおりであ る。

表左から、年度/請求権資金によるGNP総生産額(単位10億ウォン)/GNP総生産額(単位10億ウォン)/請求権資金によるGNP成長率(%)/対全GNP構成比(%)

これを見て分かるように総GNPに対する請求権資金のGNP構成比は一九六六年 に一.五二%、一九六七年には一・一一%であったのが一九七五年には一・六一%に上昇している。また、請求権資金によるGNP成長率も一九六七年の一・二 〇%から一九七五年には一・七三%に上昇した。

以上の分析で用いた限界資本係数は、対日請求権による資本財がその他の固定資本財と同じだという仮定で成立するものだ。しかし、実質的に国産資本財は海外資本財より生産性が落ち、従って請求権資金による資本の資本係数は国産資本財のそれより低いため、製造業の場合だけをその事業実績から算出した資料に代置してみたところ、予想された通り生産額(附加価値基準)がはるかに上昇している。
即ち、請求権資金導入初期にはあまり差がないが、一九七五年には限界資本係数を利用した場合よりなんと七六%である五〇億四、八一〇万ウォンも大きい一一六億七一一〇万ウォンになり、請求権資金によるGNPの成長率も一・七〇%から三・〇五%となっている。
これを年度別総GNPに対する成長寄与率で見ると図のごとくなる。
この図を見ると対日請求権資金による成長率は、上昇し続けているのに比して成長寄与度は変化が激しい。しかし、年平均一九・三%の高い寄与度を示している。

引用：対日請求権白書