ベトナムでは、誰がベトコンで、誰がそうでないかを見分けることなどできなかった。
子供や妊婦が、手榴弾をポケットに隠し持っていた。ときには村全体が攻撃してくることもあった。

韓国人の偵察隊が到着すると、村人は歓迎の態度で迎える。
果物を差し出すので、兵士たちは武器を置いて食べようとする。
そこへベトコンが手榴弾で兵士の命を奪うのだ。

我々の殺した相手が無実の民間人だったと、ベトナム側はどうやって証明するのか。
何一つ証拠など無いではないか。
証拠もないのに何故我々を非難できるのか。
我々の側では5000人の兵士がベトコンに殺されている。

誰に対しても償う必要はない。
あれは戦争だった。

ニューズウィーク日本版
2000年4月12日号　P.26